「森のくに」次代に
 〜両陛下がお手植え「機運高まり願う」〜
2002年(平成14年)6月3日付山形新聞から全文掲載
 「感じていますか 森があるしあわせ」をテーマに、第五十三回全国植樹祭が二日、金山町有屋の遊学の森で、天皇、皇后両陛下をお迎えして開かれた。 県内での開催は、一九六〇(昭和三十五)年の第十一回大会以来、四十二年ぶり。両陛下がブナやオオヤマザクラなど六種類の苗木をお手植えし、県内外から 式典に参加した約一万人二千人が豊かな森林文化社会の実現に心を一つにした。

 夜半までの雷雨も上がり、時折、強い日が差し込んだ。周囲には神室山系に連なる緑鮮やかな山々が出現。午前十一時すぎ、両陛下が会場に到着され、記念式典が開幕した。 主催者を代表し、大会会長の綿貫民輔国土緑化推進機構会長と高橋和雄知事が「大会の趣旨を踏まえ、今後とも国土緑化の推進に努められるよう願う」「県民総参加の森林づくりを、未来につながる着実な県民運動として根付かせていきたい」とあいさつした。



 天皇陛下は「今回の植樹祭を契機に、人々の森林に対する認識がさらに深められ、森林の育成に人々が協力し合う機運が一団高まることを願う」とお言葉を述べた。 天皇陛下がブナ、トチノキ、カツラを、皇后陛下がオオヤマザクラ、ネムノキ、ヤマボウシを一本ずつ丁寧にお手植えし、引き続きブナ、スギ、ネムノキ、ヤマボウシの四種類の種をまかれた。



 さまざまな演出やアトラクションも繰り広げられ、式典を盛り上げた。昭和天皇御製の県民の歌「最上川」を酒田市出身のオペラ歌手市原多朗さんが熱唱。子どもたちによる創作演技なども披露され、緑化功労者などの表彰も行われた。 木村尚三郎国土緑化推進機構理事長が「国民参加の森林づくり運動を一層推進する」と大会宣言。高橋知事が大会シンボルを次の開催地、千葉県の堂本暁子知事に手渡し、山科朝雄県議会議長の閉会あいさつで式典を締めくくった。 両陛下は式典後、金山町立明安小で、児童の「安沢歌舞伎」の練習などを見学したほか、最上町の痴ほう高齢者グループホーム「やすらぎの家」にも立ち寄り、入所者と交流を深められた。